新・快楽主義宣言

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<<   作成日時 : 2017/01/22 01:15   >>

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○監督  片渕須直
○出演(声) のん
○原作   こうの史代
○鑑賞日 1月14日
○劇場 ユナイテッド・シネマ豊洲
○評価 ★★★★★

<パンフレットより>

画像


もともと評判の高い映画ではあったのだけれど、どこで仕入れた情報だったか、特にこの作品は悲惨な戦争の状況についてはあえて触れず、そんな戦時中を逞しく生き抜いた市井の人々の日常を切り取って描いた映画だと思っていた。
だから、2016年度のキネマ旬報で邦画ベストワンに選ばれたことを知り、いったいどんな映画なのだろうと期待をして観に行ったのだが、物語の後半には舞台となった広島・呉への激しい空襲の場面が登場し、主人公のすず自身や、家族にも悲劇が起こり、そして、やはりそうした悲惨さを通じて反戦を訴えかけてくる映画だったことがわかって、若干、そのことを残念に思いつつも、ラストですずのモノローグと映画のタイトルが重なる場面に至って、キネマ旬報のランキングにも十分に納得ができた。

戦争は二度と起こしてはならず、その悲惨さについて、あえてここで語るまでもないが、映画におけるその伝え方は様々だ。
確かにそういう意味では本作は“特別な”作品なのかもしれない。

戦争、広島、アニメと言えば、おそらく多くの人が思い浮かべるのが『はだしのゲン』。
そして舞台は広島ではないが、戦争を描いたアニメ映画ということでは『火垂るの墓』を思い出す人も少なくないだろう。
前者の鬼気迫る写実的な描写は別格としても、後者の絵のタッチも優しいながらもどこか寂し気で戦争の悲惨さというものがヒシヒシと伝わってくるものがあったと思う。
しかし、本作の絵のタッチは、本当にほのぼのとして可愛らしく、随所にギャクというか、思わず笑ってしまうような場面も盛り込まれている。
呉の港に寄港する軍艦も艦上戦闘機も人殺しの乗り物なのに、特に映画の前半はそうした殺伐さを一切感じさせず、貧しいながらも幸せな田舎町の明るい家族の風景が描かれているのだ。
さらに感心したのは、主人公すずの視点で終始、物語は展開し、戦場に駆り出され、帰らぬ人となった兄や、軍の基地で働いている夫の様子など、すずの身の回り以外の場面は一切描かれていないにもかかわらず、2時間、まったく飽きさせることがない話の作り方だ。

原作者はこうの史代。
72年前に広島を襲った人類史上最悪の悲劇を主体的な目線で、しかし少しでも明るく、そして力強く描くのが彼女の作品の特徴だ。
2007年に公開された実写映画『夕凪の街、桜の国』は、今でも僕が一番好きな邦画となっている。

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