新・快楽主義宣言

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<<   作成日時 : 2017/03/27 02:01   >>

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○監督 パオロ・ジェノヴェーゼ
○出演 マルコ・ジャリーニ ジュゼッペ・バッティストン
○鑑賞日 3月18日
○劇場 新宿シネマカリテ
○評価 ★★★★☆

<パンフレット>

画像


久しぶりの『掘り出し物』だった。
携帯電話、スマートフォンという個人情報ツールが完全に普及して「個人情報保護」とか、「プライバシー侵害」とか、その危険性が盛んに叫ばれるようになる一方で、そんな端末を信用して、人々は“人には言えない秘密”をそこに仕舞い込もうとする。
ドラマや映画でも(特に日本の作品が多いような気がするが)、恋人のスマホに着信したSNSをたまたま見てしまった主人公が恋人の隠された秘密を知り、そこから事件に巻き込まれていく的なストーリーが良くあるけれど、こんな形で現代の個人情報時代をシニカルに浮かび上がらせた作品は無かったのではないか。
(そもそもいくら幼馴染みとはいっても、社会的な地位もある“大人”7人で、こんなゲームが成立すること自体、あり得ない話なのかもしれないが。)

「ゲーム」に参加する7人を演じたキャストは、みんなどこかで見たことのある役者ばかりだと思っていたのだけれど、後で経歴を調べてみたら、誠実な整形外科医のロッコを演じたマルコ・ジャリーニ以外は、初めての人たちばかりだった。

それでも物語は皆既月食を観る為の夕食会に集まった4人の幼馴染みの中年男性とその妻3人(1人は独身という設定)で、それぞれの個性が際立ったキャスティングも絶妙だった。

舞台は会場となったセレブ夫婦の自宅というシチュエーションコメディなのだが、クライマックスに差し掛かるにつれて笑えなくなり、リアルな緊張感に包まれていく。
そんな展開だけでも目の離せない面白さがあったと思う。

そして、この作品が特に素晴らしいのはエンディングの処理。
単純に後味の悪さだけを残して終わるのではなく、集まった7人が選択することのできた「もう一つの展開」の結末をあえて最後に見せることによって、観客に対して、本当の結末はどちらなのかと考えさせると共に、「知らぬが仏」ならぬ、“大人の事情”が世の中の秩序を作っているのだという力強いメッセージを放っているのだ。
(パンフレットのインタビューによると、監督の意図は「現実にはこんなゲームはプレイされなかった」ということらしい。)

この完璧な脚本、ハリウッドでリメイクされるかもしれない。
そうしたらオスカー候補になっても不思議ではない、そんな傑作だったと思う。

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