新・快楽主義宣言

アクセスカウンタ

zoom RSS マンチェスター・バイ・ザ・シー

<<   作成日時 : 2017/06/12 00:56   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

○監督 ケネス・ロナーガン
○出演 ケイシー・アフレック ミシェル・ウィリアムズ
○鑑賞日 6月3日
○劇場 イオンシネマ板橋
○評価 ★★★★★

<パンフレットより>

画像


「普通は(主人公が)不幸な経験から立ち直って頑張る話になるのだけれど、リーは(この街で暮らす限り)結局、最後まで辛い過去を乗り越えることが出来ないのよ。頑張っても出来ないことだってある。でも、街を離れても、そこにも優しい希望の光はきっと射してくれる。」

僕と一緒に映画を観に行ったツレのこの一言は、この映画を言い表す上で、本当に、これ以上でもこれ以下でもない、最も的確な感想だと思う。

基本的に僕は『お涙頂戴映画』が嫌いだ。
年齢的なこともあって、最近は特に涙腺が弱くなってはいるが、自分より不幸な人の物語を、自分は安全な高みの場所から同情しながら(そして、無意識の優越感をもって)、涙するという気持ちだけはまったくもって理解できない。
ケイシー・アフレックの演じた主人公リーの身の上も、本当に不幸であり、こんな経験はまさに想像を絶するほどの悲しみであったはずで、彼がどん底の時、彼を支えてくれた兄の突然の死をきっかけにして、自らが後見人にさせられた甥っ子や、その他、彼を取り巻く街の人々に温かく見守られ、再生していく物語ではあるが、いわゆる安っぽい感涙映画とは全然違う、観る者の、魂に響く作品だったと思う。
大げさではなく、これほど人間の“切なさ”という感情を感動的に取り上げることが出来た映画は、他にあまり無かったのではないか。

個人的には、最初、実兄のベン・アフレックに比べてとても地味な印象を持っていたケイシー・アフレックだが、本作の彼の演技が絶賛され、実際、オスカーまで獲得したわけで(そうでなければ、きっとこの映画を観に行くこともなかった)、確かにその通り、本当に素晴らしい演技だったと感じたし、心から観に行って良かったと思った。

脇を固めるキャストも、それぞれ情緒的で素晴らしかったと思う。
実はリーの元妻ランディを演じたミシェル・ウィリアムズ、そしてリーの兄ジョーを演じたカイル・チャンドラーも、個人的には好きなタイプの役者ではなかったのだけど、ランディについては、リーと夫婦として暮らしていた頃の振る舞いと、「事故」の後、新たな生活を手に入れてからの彼女の姿の対比がとても印象的だったし、ジョーもアル中の妻に悩まされながら、息子と弟(リー)には、いつも誠実に接していた嫌味の無い姿が素晴らしかった。

上映中、いびきをかいて寝ていたやつがいるくらい、きっと感情の機微が分からない人には、ただの静かな田舎の港町の退屈な映画に過ぎなかったのかもしれないが、アクション映画だけでなく、“普通の”映画を楽しめるマインドのある人間であれば、物語が進んでいけばいくほどグイグイ惹き込まれ、深く心に刻まれる作品となったはずだと思う。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
マンチェスター・バイ・ザ・シー 新・快楽主義宣言/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる