「8 1/2」「道」 生誕100年 フェデリコ・フェリーニ映画祭

監督  フェデリコ・フェリーニ
<8 1/2>
出演   マルチェロ・マストロヤンニ クラウディア・カルディナーレ
鑑賞日 8月10日
劇場  恵比寿ガーデンシネマ
評価  ★★★★
< 道 >
出演   アンソニー・クイン ジュリエッタ・マシーナ
鑑賞日 8月10日
劇場  恵比寿ガーデンシネマ
評価  ★★★☆

<チラシ>

フェリーニ.jpg

恵比寿でフェデリコ・フェリーニ生誕100年を記念した映画祭が開催されていたので、『8 ½』と『道』の2本を観てきた。

若い頃から映画館で新作映画を観ることが趣味の僕にとって、実はフェリーニの作品は、これまで、最晩年に近い作品である『女の都』以外、何一つ観たことが無かった。
ただ、今回の2作品は、どちらも様々な映画ランキングで常にランキング上位を占めているので、機会があったら「いつかは観たい」と思っていたのだ。

『8 ½』は、とにかくオープニングが衝撃的だった。
そして、最初から話がぶつ切りで、全体のつながりがいまひとつ掴めずに戸惑ってしまい、一体どんな話になっていくのだろうと、一気に興味を惹かれたのだが、そのぶつ切りの状態から、すぐに全貌が明らかになるのではなく、ゆっくりとパーツがつながっていく展開に夏バテ気味の僕の集中力は続かず、途中、何度か気を失ってしまった。
しかし、最後の大団円で、演者全員がつながって踊る場面はとても圧巻の一言で、むしろそれまでの若干の退屈さは跡形もなく吹き飛ばされ、逆に感動すらしてしまった。
少し大げさに表現するなら、まさにこの時、映画が娯楽から芸術になった瞬間を感じた。

主演のマストロヤンニも、僕はおじいさんになってからの彼しか見たことが無かったから、若く色気たっぷりの彼の演技もとても新鮮だった。
ロブ・マーシャルがメガホンを執った『NINE』は、この作品をミュージカル仕立てにリメイクした作品だったということをすっかり失念していて、今回、オリジナルを観て、改めて『NINE』も観直したくなった。


一方の『道』は、僕のツレが常々“お気に入りの映画”として名前を挙げている作品。
確かに2Kデジタルリマスターで蘇った映像は、色や光というよりも、それぞれの場面ごとの「構図」と、「影」の作り方が見事だと思った。

怪力の大道芸人ザンパノ(アンソニー・クイン)と、知的障害のある少女ジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ)の二人のロードムービーで、僕は最初、その評判の良さから、勝手に二人の間で親子や恋人の関係をはるかに超えた深い絆が育まれていく話だと思っていたのだが、“芸術家”フェデリコ・フェリーニは、そんなに甘くは無かったようだ。

正直に言って、「覆水盆に返らず」という映画は、僕はもともとあまり好きになれない。
しかし、「映画好き」を語る以上、若き日のアンソニー・クインとフェリーニにとっての公私のミューズであったジュリエッタ・マシーナの息の合った演技と、美しい映像によるこの作品は、確かに必見の一本ではあると思った。

映画の中のジェルソミーナは、悲劇の人生を送るのだが、演じたジュリエッタ・マシーナは、フェリーニを生涯の伴侶として50年を添い遂げ、彼が亡くなると、まるでそうなることが自然であるかのように彼女もわずか半年後に天寿を全うした。
このブログを書くにあたり、そんなエピソードを知るに至り、彼女のもう1本のフェリーニ作品の代表作でもある『カビリアの夜』も、また新たに「いつかは観たい」映画の一つとなってしまった。

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