○監督 リューベン・オストルンド
○出演 ヨハネス・バー・クンケ リサ・ロブン・コングスリ
○鑑賞日・劇場 8月2日 ヒューマントラストシネマ有楽町
○評価 ★★★☆
<パンフレットより>
こんな視点の映画もたまには面白い。
スウェーデンの家族が親子4人で5日間の休みを使い、アルプスの高級リゾートスキー場に遊びに来る。
ちょっと考えただけでもかなりリッチな旅行になるはずだし、もしお父さんの給料でお金が出ているのなら、それだけで“一家の大黒柱”として面目躍如たるものがあると思う。
でもそれってあくまでもプラスαの評価。
たとえお金などなくても家族が突然のピンチ(それも生死にかかわると思われるような)に見舞われた時には自ら身を呈して子どもを庇うのが父親として当たり前なのにそこで我先に逃げ出してしまったら・・・。
当然、家族の信頼を失っちゃうよねというお話。
しかし、計算された(はずの)人工雪崩をきっかけに信頼を失った家長の威厳をどうやって取り戻すのか、というテーマをこれほどリアルにかつ、映画として成立する面白さで組み立てた見事なシナリオには感服した。
夫(父親)は、一家の長として致命的な失態を演じてしまい、最初はそれでも言い訳に腐心し開き直るが、やはり自分で自分が許せなくなり、激しい後悔の念から感情が堰を切って溢れ出してしまう。
はじめは夫に失望していた妻もそんな哀れな夫の姿に次第に同情的になり、子どもに対する父親としての威厳を取り戻させるため一芝居をうつ。
そして最後の場面もあまりにも運転が下手なパスから無理やり降りるために妻と夫で息の合ったところを見せるのだ。
映画の冒頭、スキー場に着いたばかりの頃(1日目)よりも、確かに最終日の彼ら家族の絆は強くなった感じもした。
だけど、本当は冬の雪山で歩道も無いバイパスなんて、パスを降りて歩いて下る方がよっぽど寒いし、危険なはずで、他の乗客はつられて一緒に降りたのはいいけれど、どうするんだ、みたいな雰囲気になるという、ちょっぴりユーモアのセンスも感じるエンディングも面白かったと思う。

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